珈琲
雨の一日。
寒くもなく暖かくもなく、風もなく。
昼間は奎とふたり、図書館へ出かけた。
「イキングット」という映画を子供用に公開していたので観ることにした。
雪崩に巻き込まれた少年が「ママ」と叫び。
助けにきた少年は笑顔で「イキングット」と呟く。
言葉の通じないふたりの出会い。
それぞれをお互いの名前だと思い込み、呼び合うようになる。
イキングットはグリーンランド語で友達のこと。
木村くんが訪れた。
湯を沸かし、豆を挽き、我ながら丁寧に珈琲を淹れた。
だってきっと木村くんは珈琲にうるさいやつだと思ったから。
丁寧に。丁寧に。
打ち合わせめいた話も交えつつ、僕は手を動かし、木村くんは奎と遊ぶ。
「ミルクと砂糖ある?」
どうやらお苦手の様子。
「そうやねん。みんな俺にコーヒー出すねん」
彼のバンドのシングル曲に「珈琲」というのがあるのを知っていたので、よっぽど好きなのかと思っていた。
「そうやねん。」
笑ったね。
束の間だったけどね、いい夕方だったよ。
1 Comments:
木村君ライブ楽しかったですよー
MCであひる(だっけ?)の長靴の話してました(笑)
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